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創作童話7 「ありんこアリバート博士が 城をたてた話」  後編

階段をのぼりきると、そこには小さな丸い部屋がありました。部屋はアリバート博士専用なのか少し天井が低く、大きな窓がひとつついていました。そこから外を見ると、もうあたりは暗く、星が見えはじめていました。そして、すぐ前に、のぼるの団地が見えました...
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創作童話7 「ありんこアリバート博士が 城をたてた話」  中編

次の日、のぼるは一日中、昨日話したふしぎなありんこのことを考えていました。とうとう夕方になり、空が赤むらさき色になったので、のぼるはおそるおそる、うら山の入り口へ行ってみました。すると、あのりっぱなありの巣があったところに、子どもが入れるぐ...
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創作童話7 「ありんこアリバート博士が 城をたてた話」  前編

のぼるは、クラスの中で、おとなしい方の子です。お昼休み、運動のとくいな子たちが、サッカーやドッジボールをしてかけまわっている時、のぼるだけは、いつも校庭のすみでひとりしゃがんで、ずっと地面を見ています。のぼるが夢中になっているもの、それは…...
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創作童話6 「夕日の道」

ぼくは、夕日の砂漠にたっていた。砂漠にはなにもなかったが、一面がオレンジ色にそまりとても美しかった。やがて夕日から一本の光の道が、ぼくの足もとにむかってまっすぐにのびてきた。それは夕日へとつづく、オレンジ色のトンネルだった。ぼくは、いきたく...
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創作童話5 「サッチのおひさまのいえ」

あるところにサッチという女の子がおりました。サッチはおとうさんとおかあさんと3人ぐらし、なだらかな丘の上にたつ、赤いやねのおうちにすんでいます。サッチのおうちはとっても日当たりがいいので、お昼になるといつもおかあさんとふたり、お庭のベンチで...
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創作童話4 「ラの出ないオルゴール」

はじめそのオルゴールは、他のオルゴールたちと一緒にお店に並んでいました。赤や黄色の四角い箱が並ぶ中、そのオルゴールだけはピンクのハート形で、とびきりきれいな音色を奏でました。とある紳士が、「これはいい。」と言ってオルゴールを手に取りました。...
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創作童話3 「いちばん強い花」

とある、日当たりの良い山のまん中あたりに、100種類もの花の咲く、広い野原がありました。春がやってくると、野原は赤やだいだい、青やむらさきと、色とりどりの花でいっぱいになり、まったく美しい景色となりました。ある時、一本の若い花が言いました。...
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創作童話2 「幸福の猫」

「幸福こうふくの猫」その猫は、とにかくまっ黒な猫でした。頭の先からしっぽの細いところまで、どこからどこまでも、ぜんぶまっ黒でした。毛なみはつやつやでビロードのよう、2つのきりっとした目だけは、やたらと深い水色で、まるでどこかの島のガラス玉の...
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創作童話1「だいじょうぶうさぎの庭」

とある、どこにでもあるような山の中腹に、とくになんでもない小さな野原がありました。その野原の奥にはひとつ穴があり、そこには、小さくてももいろの、なんでもないうさぎが1匹住んでいました。うさぎはいつも野原の切り株に、自分で焼いたケーキとお茶を...